『火山はすごい』

火山はすごい―日本列島の自然学 (PHP新書)

火山はすごい―日本列島の自然学 (PHP新書)

 

日本の<超>有名な火山と最近噴火した火山5山を挙げ、著者の火山学者になったいきさつ、挙げた火山の特徴を説明した本。著者の火山に対する熱い思いにあふれています。

阿蘇山:著者が火山に興味を抱くようになったきっかけになった山だということで、最初に取り上げられています。外輪山の広さが広大なため、「かつての阿蘇山はとてつもなく高い山だったのではないか」という疑問を持つひとがいるそうですが(←わたしもその一人)、外輪山の岩石を調べると単一の火山ではないことがわかるので、「ノー」。ちょっとロマンを削がれたかんじがします^^;

富士山:言わずと知れた日本で一番高い山かつ高い火山。富士山の成り立ちや、「もし噴火するとなるとどのような噴火か」についても書かれていて、きわめて科学的。どうやら、いきなり大噴火!することはないようなので、ちょっとほっとしました。

雲山普賢岳有珠山三宅島:ここ20数年の間に噴火した火山のなかでも大規模噴火だった火山。実際に著者が噴火の調査に携わっていたということで、それがポイントを抑えて記されています。とくに普賢岳は亡くなったひとも多く被害も甚大だったので、日本人に火山災害のおそろしさを見せつけた山といえます。

この三つの火山の噴火をかんがみると、被害者こそ戦後最大だったとはいえ御嶽山の噴火が、科学的には「小規模噴火」の域だったのは明白です。
火山をどうとらえるか、むずかしさを痛感します。おそらく、この3山の噴火を前提に、研究者も行政も、規模だけに注目したために、御嶽山などの水蒸気爆発を過少に見てしまったのは、不幸だったなとおもいました。