『世界を変えた地図』

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ルネサンスを過ぎても、まだ地球の歴史がキリスト教世界観に支配されていたころ、まったくの独学で「地層累積の法則」「地層同定の法則」を発見し、地質学の父とたたえられたウィリアム・スミスの伝記。

スミスがイギリスの地質に精通したのは、運河建設に携わる土木・測量技師として活躍したからだが、大学を出ていない下層階級出身が学者として身を立てることは、当時不可能に近かった。
化石に興味あるコレクターは、貴族や医師、資産家などの上流階級ばかり。
世界初の地質図を作ろうにも、スポンサーなくては成し遂げられない。

スミスが、仕事や生活のために身の丈にあまる出費をしたとしても、当時の状況からいって、仕方のないことだったとおもう。
結果、浪費癖のせいで、監獄に収監されることになったが、スミスの業績を正当に評価する学者が現れたのは幸いだった。
産業革命が成功して、社会も成熟に向かっていたからだろうか。
出身にかかわらず、才能を評価する雰囲気ができていた。
その後、ダーウィンの進化論が世に出て、ようやく地球の歴史を科学的にとらえようとする近代科学が受け入れられるようになった。
スミスはその先鞭をつけた人間といえよう。