『銃・病原菌・鉄』上巻

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
 

 書評に取り上げられて読もうと積ん読していたら、文庫がでたよあるある。それも2年も前に。
よって、かれこれ10年ばかり寝かせておりました。紙魚が生息しているレベル。

筆者の言わんとするところはよくわかるんですよー
現在生じている世界の格差の淵源をさぐろうとしてるんですよね。

でも、欧米人の常なのか、論述展開が冗長なせいで、ものすごくまわりくどい印象があるんです。日本人なら、もっと簡潔に述べられるんじゃないかな?

でも、プロローグで、人種差別に関して、「多くの(おそらく、ほとんどの!)西洋人は、個人として、あるいは無意識のうちに、依然として人種差別的な説明を受け容れている」と率直に述べているのは客観的だとおもいました。

欧米で、日本人から見れば、人種差別的なヘイトが異様にバッシングを受けるのも、その裏返しといえますからね。

この本を読みながら、マルクス唯物史観について、かんがえたりします。


追記:12/29

他の本に浮気をしながら、ようやく読了しました。
細かな説明が延々とつづいていますが、段々「なぜ西欧で近代文明ができ、他の地域を圧倒したか」の”真実”にちかづいているようです。

上巻の最後では、肥沃三日月地帯で牛、豚、鶏、などなど様々な動物が家畜化された「副産物」として、病原菌に耐性を持った人類がいかにして登場したかが書かれています。

それはとてもわかりやすかったのですが、わたしにとって衝撃の事実?がありました。
「獣姦」です。

著者がアメリカ人なのだから、その知人の医者もアメリカ人だとおもうのですが、つまり、戦後のアメリカで、その知人が「自分の牧場の羊と性交渉を持ち、そのために正体不明の肺炎にかかった男」の治療に当たったのだそうです。戦後のアメリカで!!!

かつて日本史を専攻していたわたしは、律令の律(現在でいう刑法)にある獣姦を禁じた条文におどろき、同級生と一緒に「いくらなんでもそれはないだろう。ナニが悲しくて」と言い合ってました。

でも、本当にあるんですね………

そして、なぜ獣姦が禁じられたのかをこの本で知りました。
倫理的云々以上に、生命の危険があるからなんだわ。なるほど。
ン十年来の疑問が解けました。